皆さんこんにちは。昨日の小湊漁港から勝浦市内までなんですが「絶景が見たければ旧道を通ってくるといいよ!」とのアドバイスを受けまして、国道128号線脇の旧道を通って帰りました。鴨川市誕生寺から外房線の行川アイランド駅の間で通称「おせんころがし」と呼ばれる断崖絶壁が連続する区間があるのが印象的です。四国の足摺岬を訪れた経験から、太平洋に直に面した海岸線の荒々しさは想像できても、そこに集落があり生活の場になっている点で斜め上を行く絶景でした。
外房線の安房小湊駅から行川アイランド駅にかけて国道はトンネルの連続なので、日蓮宗の誕生寺からは国道128号線に戻らず「房州東往還」とも言われる伊南房州通往還(千葉市より外房を通過し、館山に至る)の旧道を直進します。この街道は茂原側より南進すると勝浦市墨名(現在の勝浦駅付近を少し西に過ぎたところ)付近で山ルート(上野経由)と浜ルート(鵜原、興津、行川経由)に分岐していたようで、鴨川市内浦で合流となります。
さて誕生寺からは樹林帯となり、ほどなくして岩壁をくり抜いたこのトンネルに突き当たりますが、ここを抜けるとその瞬間から絶景続きとなります。
断崖絶壁の上なので狭いですが、舗装された道が大沢漁港まで続きます。低いガードレールの向こうは垂直に切れ落ちているので景色はたまりませんが、ロードバイクなどでスピードを出し過ぎると危険ですし、強風の日は要注意です。
風が強すぎてカメラを押さえる指が影になって映り込んでしまいましたが、本当に絶景続きで素晴らしいです。道は断崖の中腹に舗装されているので、上からの落石も危険とのことで、度々封鎖されることがあるそうです。写真は鴨川方面を振り返っていますが、国道128号線は右の山の中をトンネルで貫いています。実はこの道は「大正時代にできた旧国道」だったというのは後から聞いて知った話なんですが、今の国道が開通した昭和40年代の中頃までは現役だったそうです。
勝浦市内に入ってまもなく大沢漁港とその背後にそびえ立つ「おせんころがし」の断崖が見えてきます。台風などでの高波は一体どの程度に及ぶのか。「ここ何年かで地形が変わってきててね~」と話を伺うとびっくりします。この日は強風で波が高かったんですが、それでも海の水は青くかなりきれいに見えます。
約4㎞の断崖がわずか途切れる中間の所の山側に集落があり、海に面したのが大沢漁港です。港まで下りると下から直接断崖を見上げることができるんですが、その落差に圧倒されます。
行川アイランド駅方面に行くには集落のあるトンネル側へ、写真の左側に山を貫通する128号線の高架が見えますが、国道をわたりさらに外房線のガードをくぐって古いトンネルを2本抜けます。
行川アイランド駅方面からですと駅を出て鴨川方面へ歩くと国道128号線のおせんころがしトンネルの入口に出ますが、おせんの供養塔へは左の脇道へ、右へ向かうと今回通った旧国道となり、集落や大沢港、誕生寺方面となります。
見事な絶景を堪能できた1日でしたが、このような交通の難所に道路を作る歴史は、調べてみると更に興味深いことが次々に出てくるんですね。勝浦市内に戻って「明治の頃の一番最初の道の跡行ってきた?」と言われて「???」となってしまいました。「もうほとんど歩いてすら通れないところも多いんだけど、ガードレールも何もない道があるんだよ」と言うのはびっくりです!「多分これじゃないかな」と写真を指さしてもらったところ「まさか・・・!」と驚愕でした。